小栗旬さんと星野源さんダブル主演映画「罪の声」が大ヒット上映中ですね!
星野源さん好きの私が早速映画を観に行き、ウキウキ原作小説も読んだので、あらすじと感想についてネタバレありでご紹介します。
映画を観に行こうか迷っている、原作はおもしろいのか気になっているという人は、ぜひ参考にしてみてくださいね!
「罪の声」あらすじ
もうすぐ平成が終わろうとしている頃、大日新聞文化部の記者阿久津英士(小栗旬さん)は、急遽社会部の特集記事に参加することになりす。
日本の犯罪史上初の劇場型犯罪であり、昭和最大の未解決事件「ギンガ・萬堂事件」(通称 ギン萬事件)を追うことに。
一方、亡き父の後を継ぎ、京都でオーダースーツの店を営むテーラーの曽根俊也(星野源さん)は、父の遺品の中に黒革の手帳とカセットテープを見つけます。
再生したテープからは、幼いころの自分の歌声が聞こえてきます。
しかし、テープが途切れたあと、再び同じ声で読み上げられた言葉。
「きょうとへ、むかって、いちごうせんをにきろ、ばすてい、じょうなんぐうの、べんちの、こしかけの、うら」
その言葉と声は、あのギン萬事件で犯人グループが脅迫電話に使用した物と同じでした。
「俺の声だ。」
テープと一緒に見つけた黒革の手帳をもとに、俊也は事件を調べることになります。
なぜ自分の声が使われているのか、同じように声を使われた二人の子どもは今どうしているのか。
同じ事件を追ううちに英二と俊也はやがて出会い、真相に迫っていく。
というストーリーです。
予告を見て「怖い映画かな?」と思われた方もいるかもしれませんが、グロテスクなシーンや、ホラーな内容ではないのでご安心ください。
「罪の声」キャスト
35年前と現代を行き来するので、とてもたくさんの方が出ています。
一度話を聞くだけの方もとても豪華ですよ。
阿久津英士役:小栗旬さん
主人公の新聞記者阿久津英士を演じるのは小栗旬さん。
ドラマ「花より男子」や映画「銀魂」、「人間失格」等、人気作に多数出演されていて、コメディーからシリアスまで幅広い役を演じている実力派の俳優さんです。
2020年3月にはハリウッドデビュー作『ゴジラVSコング』が公開される予定でしたが、コロナの影響で延期になり、残念ながらまだ公開日は未定ですが、公開されるのがとても楽しみですね。


曽根俊也:星野源さん
もう一人の主人公曽根俊也を演じるのは星野源さん。
俳優、音楽家、文筆家とマルチに活躍されています。
2020年4月3日緊急事態宣言が出される数日前に自身のInstagramで「うちで踊ろう」をフリー素材として発表し、SNSで日々アップされる動画やイラストに楽しませてもらいました。
同年6月には本来であれば4月にスタートするはずだったドラマ「MIU404」の放送がスタートし、大変話題になりました。


「罪の声」とは?
原作は塩田武士さんのベストセラー小説「罪の声」。
「罪の声」は、1984年と1985年に大阪府、兵庫県で実際に起きた食品会社を狙った脅迫事件、グリコ森永事件を題材に作られたフィクションです。
日本中を震撼させた昭和最大の未解決事件をモチーフに、綿密な取材と着想で描かれ、フィクションですが、“本当にそうだったのではないか”と思ってしまうほどリアルです。
原作者の塩田武士さんは大学在学中に「グリコ・森永事件」に関する書籍を読み、自分と同年代の子どもの声が脅迫電話に使われていた事を知った事から、この事件を題材に小説を書きたいと思ったそうです。
塩田さんはそこから新聞社に入社し、取材経験を積んでから小説家になったものの、編集者から「今の塩田さんの筆力では、この物語は書けない」と言われました。
そこから8作書き、9作目でようやく書くことができたのがこの作品なのだそうです。
監督の土井裕泰さんは「麒麟の翼 劇場版・新参者」「映画 ビリギャル」の他に「逃げるるは恥だが役に立つ」の演出もされています。
脚本は「逃げるるは恥だが役に立つ」「MIU404」など話題作を多数手掛けている野木亜紀子さん。
原作は400ページ以上ある長編小説を映画の尺に収まるように、原作者の「イズム」を大切にしながら映画ならではのショートカットを模索されたそうです。
野木さんご本人も仰っていますが、野木さんは本当に原作者の「イズム」を大切にされていますよね!
「空飛ぶ広報室」、「掟上今日子の備忘録」、「逃げるるは恥だが役に立つ」等、原作のある作品をたくさん手掛けていますが、どの作品も原作の核はそのままに映像作品用に肉付けしたり、削ったり、その塩梅が本当に絶妙ですよね!
そんな野木さんの脚本ですから「罪の声」ももちろん素晴らしかったです。
映画「罪の声」を観た感想
カセットテープの存在を知って、突然犯罪に関わっていた事を知った俊也。
彼には当時の記憶はありません。
一方記憶があるであろう、俊也の他に犯罪の”声”に使われた当時中学生と小学生の二人の子ども。
記憶のあるであろう二人はどんな人生を歩んだのか、俊也を含む三人の子どもの親はそのことを知っているのか、知っているならなぜ子どもを関わらせたのか・・・。
私自身はこの映画のモデルになった事件については「グリコ・森永事件」、「毒入り菓子」、「狐目の男」、といったキーワードくらいしか知らなかったので、今回の映画ではじめて脅迫電話に子どもの声が使われていた事を知りました。
この作品は事件の真相に迫るとともに、子どもの未来が大人の手で簡単に左右されてしまう恐ろしさが描かれていると思います。
愛情深く育てられ、好きな仕事をし、かわいい盛りの娘の居る俊也ですが、テープの存在を知った瞬間から、幸せな生活がグラグラとゆらぎ始めます。
今は亡き、尊敬する父が犯罪に関わっていたかもしれない。
自分が脅迫電話の子どもだと知られたら、妻や子どもはどうなるのか・・・。
そして、新聞記者の阿久津は事件の真相に近づいていくうちに、時効になった事件の真相を明らかにすることが必要なのか悩みます。
事件には自分の意思とは関係なく、声を使われた子ども達がいる。
その子達の事を記事にする事が正しいのか・・・。
大人の都合で子どもが傷つき、悩み、苦しむ。
「子どもの未来を守るのが大人である。」
私が映画を観て受け取ったメッセージです。
どんな大義名分があろうと、子どもに十字架を背負わせるような事はしてはいけない。
ささやかでも幸せな生活を送る権利を奪ってはいけない。
当たり前のことですが、改めて気付かされました。
ここまでの感想で、重いストーリーと感じる方もいるかもしれませんが、クスっとするシーンやじんわりくるシーンもあり決して重苦しい作品ではありませんよ!
鑑賞後、私はやりきれない思いとともに、不思議と一筋の光の様なものを感じました。
取材する側(追う)の阿久津と、される側(追われる)の俊也が二人で真相を追ううちに友達とも、仲間とも違う絆を深めていくのもとても良かったです。
「罪の声」映画と原作の違い
ほぼ違いはありません!
400ページ以上の作品を映画サイズにまとめて、ほぼ違いがないなんて野木さん!
凄すぎますよね(笑)
映画では出てこない登場人物がいるんですが、違和感が無いように登場人物を減らして物語を成立させているのは流石だと思います。
もちろん原作は長編なので、映画ではあまり触れられていなかった人物も詳しく描かれていますし、阿久津と俊也についてもより掘り下げて描かれているので、深く知ることができます。
また小説はニガテという方は、「罪の声」はコミカライズされているので、マンガ版もおすすめですよ。
今なら映画版の表紙がついていますので、是非この機会に読んでみてはいかがでしょうか。
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原作塩田武士 /マンガ 須本壮一
まとめ
この作品は登場人物がとても多く、35年の時を行ったり来たりするので、なかなか複雑でややこしいです。
なので、事前に原作を読んでから鑑賞する方がわかりやすいと思います。
原作は長編ですが、とても読みやすい文章なので、スルスル読めると思いますよ。
忙しくてなかなかや本を読む時間がない方や、読書が苦手な方は事前にHPやパンフレットで登場人物を確認しておくことをオススメします!
映画で流れる子どもの声、そして動く狐目の男は当時を知らなくても鳥肌が立ちました。
小栗旬さん、星野源さんはじめ、俳優さん達の演技も素晴らしいので、是非映画館でご覧になってください。